Sasada

南瓜とマヨネーズのSasadaのレビュー・感想・評価

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)
4.3
南瓜とマヨネーズ。それは、平凡な日常の象徴なのかな。

2人はいつも一緒だった。そしてこれからもそのつもりだった。だからこそ、断ち切らなくてはいけなかった。

彼らの理想と現実には大きすぎるひずみがあり、その痛みから逃げるには夢を見るしかなかった。音楽の成功と、二人で描く毎日を。

でもそうやって築いた2人の暮らしは、強烈な依存関係へと繋がっていく。「わたしたちにはこの部屋のほかに行くところがない。わたしたちにはお互いしかいない」のだ。

固くて強い絆だからこそ困難な関係に気づいてしまった。
気づいてしまった以上終わらせるしかない。ツチダはハギオに恋してでも、セイイチはバンドに無理やり参加してでも。


登場人物みんなが勝ってないんだけど、ちゃんと現実を見て1人で立てるだけの強さを身につけて、まだまだ彼らの日常は続いていく。

寂しくて苦しいけど、爽やかな彼らの旅立ちを応援したい。そんなことを思う映画でした。
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