木葉

南瓜とマヨネーズの木葉のレビュー・感想・評価

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)
3.7
どこにでもある日常、ふわふわした恋を描いた映画がとても切なく胸に迫る。
今彼(太賀)と元彼(オダギリジョー)の間で揺れる女性ツチダを臼田あさ美が演じる。彼女は男性に尽くし、男性に依存し、昔の恋を引きずっている。
今彼元彼二人ともダメダメ男なわけだが、どうしようもない人にどうしても惹かれてしまうのが恋ってもので、、。
オダギリジョーの女にだらしなく、クズ男っぷりは勿論いいし、ミュージシャンを目指している太賀はツチダのヒモになっていて、彼女がお水の仕事をしていると分かった途端、真面目に働いていく心境の変化も丹念に描かれていていい。
マンネリ化してしまった恋と、昔好きで好きでたまらなかった人と。どちらを選ぶとかじゃなく、こういうのはその時は辛いけどなるようにしかならないのだな。
臼田あさ美もツチダそのまんまで役ぴったり。
恋には終わりは来るし、離れたりすることは凄く辛く苦しいものだけど、それでも誰かをずっと好きでいられる、好きだって伝えられる感情って、いつでも新鮮で大切だなぁと。
日常の恋をただ描いた映画なのに、ズシンと心に響く。居場所を必死に求めて何かにすがりながらも葛藤する人間は愚直にも愛おしい。
南瓜とマヨネーズの原作から印象に残った台詞。
せいちゃんの歌は優しくて可愛くてとても尊くて。
わたしたちのこの平凡は本当はとても壊れやすくて、なくさないことが奇跡。
木葉

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