Utopia

南瓜とマヨネーズのUtopiaのレビュー・感想・評価

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)
4.5
「好き」と言う感情を言葉のひとつひとつに乗せる臼田あさ美の演技は、一歩間違えれば見ていて恥ずかしいものになりそうだが、見事に上手く演じ切った感がある。

街の持つ少し停滞した雰囲気や、登場人物それぞれの絶妙な関係性から生ずる空気感は見ていて居心地の良さと自分の事のような気恥ずかしさが同居するようだった。

ツチダの後先考えていない恋模様は共感を拒みそうなものだが、彼女の持つ好きという洪水のような感情が描かれており何故か仕方ないよねと諭したくなってしまう。(ハギオも同じように明言していた)

器用な性格で人を振り回してつつも、的確に他人を見透かすハギオと、根は真面目でいい奴なんだけど、不器用さや頑固さでもったいなく見えちゃうせいちゃん。

その2人を愛して揺れるツチダ。それは過去の自分を肯定したかったり、もしくは単なる情だったり、自分の信じるものが正解であってほしい願いなのかもしれない。
Utopia

Utopia