このレビューはネタバレを含みます
観ていてすごく切なく、苦しくて、でも前を向こうと思う映画
「セイちゃんが振ってくれたら楽なのにな」といいつつも、いざ振られると止まらない涙、蘇ってしまう幸せな記憶
「どうしてこうなっちゃったんだろうな」というセイちゃんの台詞が苦しい
ハギオみたいな人ってその時は楽しいけれど、楽しいだけでセイちゃんみたいな暖かさはない。割り切ろうとしても頭では考えてしまうタイプのツチダとは合わない、けれども好きになってしまう。もう会わないでいようと決心した別れの場面はツチダの葛藤が痛いほど伝わってくる。
別れてからもわざわざセイちゃんのパーカーを着てハギオに会いに行くツチダの姿は完全にハギオに依存しきれない後ろめたい心情を、最期の伝手のような存在だったハギオのバイクが回収されるも引き止められそうなのにそのまま見送ってしまうシーンはハギオとの決別を、終盤のライブでの再会の後バンドメンバーに手を振った直後ツチダとセイちゃんが二人同じタイミングでポッケに手を入れるシーンは二人が別れた後もどこか同じ思いを持ち続けていることへの暗の描写なのか…
音楽が全く使われない沈黙のシーンの描写が見事
