singer

南瓜とマヨネーズのsingerのレビュー・感想・評価

南瓜とマヨネーズ(2017年製作の映画)
3.7
面白い映画では無かったです。
でも、雰囲気は、凄く、凄ぉぉーーく良かった。
フィルムの向こうから伝わってくる空気感とか、
登場人物たちの息遣い、体温、言葉。
昼夜に色づく小さな街の風景。
煙草の匂い、ライブハウス、ギター、夢と現実。

こんな映画みたいじゃなかったけど、
なんか、いちいち自分の20代を思い出すような作品でした。

こういう映画は、どう言っていいかわからなくて。
面白かったといい回れるようなものでは無いけど、
凄く観て良かったなぁと思えました。
そんな感じ。

冨永昌敬とオダギリジョーというと、
昔、「パビリオン山椒魚」を見たんですが、
もう見事にすっかりと内容忘れてしまってて。
でも、凄くインパクトがあったの覚えていたので、
久々のタッグ作を楽しんで見せてもらいました。
作品の毛並みは全く違う感じですが、
こういうオダギリジョーが、彼の真骨頂というか、
作品のいいスパイスになってるなぁと感心させられましたね。

臼田あさ美も、あまり出演作を見て無いですが、
いい具合にやさぐれつつも、奥底に人間臭さを感じさせてくれて、
色々とあった上での、ラストシーンの表情はとてもとても印象的でした。
最近観た映画の中では、一番良かったラストだったと思う。
それがあるだけで、もう十分というか、
そんなワンシーンがとても素敵な作品でした。

しかし、最後までわかんなかったのがタイトルの意味。
「南瓜とマヨネーズ」。
よくよく考えても、わかんないなぁ。
でも、まあ、わかんなくしてもいいかなぁ。
singer

singer