背骨

ビジランテの背骨のレビュー・感想・評価

ビジランテ(2017年製作の映画)
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公開前なのでスコアは無しで。観終わった直後の率直な感想は「こ、これ…本気で劇場公開する気ですか⁈」監督自身言われてる通りかなり攻めている内容、作りで公開後は間違いなく賛否両論あるでしょう。
地方都市での欲望と暴力渦巻く利権争いを描く現代のフィルムノワール。

トークショーの際「地方都市での息苦しさ、ダークサイドを描きたかった。」と監督が言ってたけど、125分全編ダークサイドしか写ってません。

入江悠監督ファンの方とても多いなと感じてますが、メジャー作品でのテンポが良くて作り込みや魅せるのが上手い入江悠監督作品をイメージしてたら絶対に裏切られますっ!

入江悠監督って凄く上手い監督でもあるんで、メジャー作品で観客やスポンサーの期待に応える作品を作るのもお手のものなんだけど、この『ビジランテ』では初期作品で感じていた「欲望や鬱屈したものがモラルや社会のルールを食い破って表出してくる」ような、オリジナル作品だからこその作家性を感じられる映画になってると思いました。

この映画の作風として自分が気に入っているところは、
①ストーリー展開が全く予定調和的でないところ
②物語の中で起こる出来事に対する説明を極力省いているところ。
③ドラマの不文律に囚われていないところ。
なので、合わない方は一定数いると思います。特に「綺麗に伏線を回収するようなタイプの映画」が好きな方なんかは絶対合わない。

内容に関しての感想は公開前なんで控えますが、キャストはみなさん素晴らしかった。強いて挙げるなら、吉村界人、篠田麻里子、般若、桐谷健太が良かったかなぁ。

吉村界人の狂ってる感じは最高だった。なんか『獣道』観てから自分の中の吉村界人のイメージは日常の中にいそうな狂ってる人になっちゃってるけど笑。

篠田麻里子さん効いてましたねぇ♪今まで正直女優として評価してなかったんだけど、ここでの麻里子さん良かったです。この役に絶対必要なエロさと気高さを備えつつ、この土地で生き残ってやろうとする執念が役を通して感じられた。

そして般若はどう見てもリアルなヤクザにしか見えない笑。

あとなんといっても桐谷健太。自分が見た中で最高の桐谷健太だった。ふざけるでもなく、変に優しすぎるわけでもなく、本当にこういう人なんじゃないかと思えるほど全く違和感なく役そのものになりきっていた。
一応この映画、大森南朋、鈴木浩介とのトリプル主演ってことになってるけど、彼が実質この映画の主役です。

詳しい感想は公開後にあらためてレビューしたいと思います。

12月9日(土)全国公開🎬
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