ツネイシ

ビジランテのツネイシのレビュー・感想・評価

ビジランテ(2017年製作の映画)
3.3
地方の抱える闇、その闇が
作り出したうねりに翻弄される
3人の兄弟の物語。

描きたい情景や世界観は画面に
強烈に焼き付いており、それは
伝わってきたし、魅力的な場面
も沢山あったけど、プロットの
完成度は高くなく、観ていて
腑に落ちて来ない事がかなり
あった。

やはり事件の核になる長兄の
過去や人物、動機等が観る者
に共感や理解を呼ぶような形
で提示されていなので、物語
がスッキリ呑み込めなかった。

台詞の説明のみで語られる
土地への執着。遺産総取り
の絡繰りの解き明かしもなく
その真意や目的も語られない。

自分の市政での地位を守る為
には対決すべき立場の次兄も
周囲は土地奪還に向け蠢くが
本人は何もしない。

三男は土地奪還勢力に迫られ
る形で兄と対峙させられるが
それも状況に流されている
だけで三人の間に形成される
べき葛藤や対立が不明瞭。

自警団VS外国人居留者の
対立の構図は明快で面白
かったし、兄弟を演じた三人
の演技は素晴らしい
(ちょっと桐谷くんはクドい
なぁ、と感じるトコもある)

地元の怖い人代表 大迫の
ホームでの絶対的な権勢
(雇われ店長三男への優越)
と債権回収に来た横浜の
怖い人とのやりとり
(粋がって恫喝するが手出しは
しない、けど下っ端に見下され
るとキレちゃうetc)が笑える。
役者さんも雰囲気あり。
ツネイシ

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