このレビューはネタバレを含みます
なんだこの話。
観ている途中からずっと奥歯が痛かった。
中盤までは中上健次の小説を読んでるような感じだった。地方の閉鎖的な感じが、風景からも感じられる。奈良の田舎で育ったので、よくわかるぞ、その感覚。
地方都市ならではの土地の問題と切ることができない家族の問題を中心に中国人の移民問題にヤクザもからんでくる。
ストーリーは社会の表と裏を描いていく。裏と表はつながっている。
二郎の妻(篠田麻里子)も裏があり、女を武器にのし上がろうとする。狡猾と言えばいいすぎかもしれないが、野心家である。コートを脱いで扉をノックするシーンは、印象的だった。
映画としてのクライマックスを用意するためか、ちょっと人が死にすぎだと思った。
こんなことがあったら二郎は生きていけないのじゃないか? 議会と妻がもみ消してくれるかな。
音楽の始まり方と終わり方がカッコいい。音楽が止まった瞬間は、何かに気づいた瞬間だ。
3兄弟の名前が「一郎」「二郎」「三郎」というのも安易で、田舎感が出ていた。