アタフ

ビジランテのアタフのレビュー・感想・評価

ビジランテ(2017年製作の映画)
4.0
(*゚∀゚)=3 ムッハー
今年の邦画ベスト(゚∀゚)キタコレ!!

政治家であるクズな父親に育てられた3兄弟の運命を描く日本版ノワール。

最初はクズな父親に育てられた息子という設定から『葛城事件』的な映画か?と思いきや、次第に地方都市の闇を描いた『冷たい熱帯魚』のような雰囲気が強くなってくる、そしてラストの展開は『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』や『トゥルー・ロマンス』のような大波乱で終わるなんとも欲張りな映画だった。

3兄弟の三男を演じる桐谷健太の演技・存在感が素晴らしい。見た人ならわかると思いますが、手に刺された"あれ"抜くシーンの長いこと長いこと…無茶苦茶痛そうな表情をするもんで、こっちまで痛い気がしてきましたよ。そして暴力団員を演じたラッパーの般若さん、マジで怖いっすわ…
立ちションしながらの登場シーンが秀逸ですね、この登場シーンだけでこいつがどうしょうもない奴だってことが一発で分かります。
あと気になったのは篠田麻里子さん、この人元アイドルなのにこんな役までやるんですね。

映画のタイトルでもある"ビジランテ"="自警団"
自警団出てきますね、あの青年の歪んだ正義感、終わることのない復讐の連鎖、日本社会の闇を見てしまった気分。また市議会議員の権力、容赦ない暴力団、借金取り、この映画の要素全てから闇を感じざるを得ない。
一見普通の無機質な地方都市の風景がよく映されるが、その中にはこれらの闇を抱えていると考えると、とてつもなく恐ろしい気分になる。

ともあれ日本の地方都市の闇を描いた映画は色々あるとは思いますが、その中でもトップクラスに怖さがある映画なのではないのでしょうか。自分の生きている街ももしかしたらこのような闇が潜んでいるのかもしれないと考えると本当に怖い。
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