入江監督の作品はどれも田舎の閉塞感を描いたものらしいが、本作もまさに田舎の閉塞感。すべてが閉じられた狭い世界で展開し鬱屈している。
オープニングのヌメッとした闇の映像がよい。
一郎、二郎、三郎という雑な名づけが、父子関係を端的に表している。父親から逃走した一郎が、父親の忌むべき部分を色濃く引き継いで帰ってくるところから始まるので、そういう家族の物語なのかと思いきやそうは展開していかない。結局、この映画にとって一郎は何だったのかがよくわからなかった。
三郎がずっと不憫。最後は二郎も不憫。
お箸の痛いシーンがあるのだが、テーブルの下を見せたところがよかった。あと抜くときの桐谷健太の顔演技。
濡れ場が微妙な感じで、なんかサイズ感あってなくない?という気がした。
現実を現実どおりに描いているので、主演3人はもっとマイナーな役者さんだったらよかったかも。