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放課後戦記のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

放課後戦記(2017年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

ヒロインはイジメを受ける同級生女子から借りたハンカチを返すため、屋上で彼女を待っていたが、そのまま居眠りしてしまう。目覚めるとあたりは暗くなっていて、校舎を彷徨ううちにヒロインは片手を切断され苦しんでいる見知らぬ少女と遭遇し、さらに金属バットを持った集団に襲われる。どうやら校舎敷地内に15名ほどの女子生徒が閉じ込められていて、最後の1人になるまで殺し合うことを強いられているようなのだが…という話。
舞台演劇がもとになっている映画らしい。

あらすじから、バトルロワイアルのようなデスゲームものと予想して観たら、かなり肩すかしを食らう作品。知能戦の要素もほぼ無く、言って見れば思春期の少女たちの心象風景を観念的な内容で表現したお話。

観終わってみると、非常に僕好みのお話だし、主人公の意外な正体やラストも捻りがあってそこそこ上手くまとまっているのだが、映画としては相当ダメダメな作りの作品。もとの舞台という媒体の方が良さは伝わりやすいのでは?
よくあるデスゲームものだと、冒頭からルールが明確化されて、テンポ良く進むのが典型。しかし、本作はとにかく導入部が長く話の仕組みが分かるまでがかなり退屈。それ以降は予想外な展開もあり、楽しめた。アイドル出演者が多い割にはアクションシーンの殺陣がまあまあ決まっていてカッコいいものの、この作品でアクションにそこまで注力する必要あるのかは疑問。あと、中盤以降に登場人物たちの役割が判明するのだが、人物の描き分けが出来ていないので感情移入もしにくいし、彼女らの苦悩とかをもっと丁寧に掘り起こした方が面白かったのでは。人数も半分くらいにしてサクサク話進めれば良かったと思った。アイドル映画なので仕方ないが、ゴスロリ風な衣装も色モノ感が出てしまってイマイチだった。ラストのメッセージはいらなかったのでは?
舞台版がダブルキャストで主演だった2人が別々の役で出ているらしい。死亡者の名前と残り人数が校内放送でアナウンスされるくだりだけはバトルロワイアルっぽかった。

全体的に、もう少し整理して、余計な要素も削って洗練させれば傑作になっていたかもしれないと残念に思った。
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