なっすん

空飛ぶタイヤのなっすんのレビュー・感想・評価

空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)
3.8
―あの巨大な組織が
   生まれ変われると思いますか―

【あらすじ】
ある日起きたトレーラーの脱輪事故。
整備不良の責任を問われた運送業者の社長である赤松は、ホープ自動車のある“欠陥”の疑惑を抱き、カスタマー戦略課へ調査を依頼する。
カスタマー戦略課課長の沢田もまた、車両製造部や品質保証部からの情報を元にある真実へたどり着くのだった。
大企業の“リコール隠し”を巡って、警察、ホープ銀行、同じ境遇に置かれた運送会社などが交錯しはじめる―


◆◆◆◆


長瀬が演じる赤松が一人で闘い奮闘し、証拠をかき集めていくと思っていたけど、各々がいたるところで証拠となる鍵を集め、パズルのピースが埋まっていく。
誰が会社を守ろうとし、誰が不正に疑念を抱いているのか、
誰が真実を追及し、誰が隠蔽に荷担しているのか、
要するに中盤から終盤までは誰が味方側につくかわからず進むのも展開的に面白い。

長瀬の演技はいつもの長瀬、長瀬役の長瀬が出ていた。
ドラマ版はトレーラーしか見てないけど、運送業の社長ということで、仲村トオルよりは長瀬の方があっているのかな?観客側は沢田や井崎たちが真実を追及する様子も見れるが、赤松からすると裏で起きていることもわからず、
巨大すぎて見えない敵に心が折れそうになるのがわかる。
そんな闘いを、社内で批判されてなお会社を守ろうとする姿勢、かっこよかった。

キャストの割り当てに関してはイメージと違うというレビューも多いが、自分は当てられたキャストから話をイメージしていくタイプなので、豪華キャストが集められたこともあり個人的には全員好み。
ディーンフジオカはいつもの事ながら、優秀なビジネスマン。最初は赤松からの連絡も無視したり、利益不利益を考える冷酷な男に描かれたが、次第に不正に対する正義感と人間味が芽生えつつ、自分への利益も忘れたくないキャラたまりませんでした。
MVPはムロツヨシです。今回はふざけることもなく、優秀で真面目な、稀なムロツヨシを見た気分。

◆◆◆◆

主題歌となったサザンの“闘う戦士たちへ愛を込めて”は、
いい曲なんだけど、作品にあっているのか??
主題歌つきトレーラーで流れたときはだんだん体に馴染んできて、作品にあってる!って思い始めたけど、
エンドロールで流れるとまた違和感を覚えてしまった。
挿入歌で使われたほうが良かった気がする。
なっすん

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