映画ネズミ

空飛ぶタイヤの映画ネズミのレビュー・感想・評価

空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)
4.0
※このレビューは【ミニサイズ】です。

向いている人:
①サラリーマンたちの活躍する映画が見たい人
②池井戸潤原作の映像作品(半沢直樹など)を見たことがない人

 池井戸潤原作の映画と聞いて、「半沢直樹」のような顔芸連発の脂っこい映画になると思ったのですが、予想以上に落ち着いた雰囲気の映画でした。

 真実は大事だけど、互いに立場やしがらみがあり、生活や家族がある。そんながんじがらめの中で、信念を貫きたいと思っても、曲げなきゃいけないこともある。良かれと思ってしたことも、思いもしない結果を招くことがある。できると思っていても、叶わないことがある。だからこそ悩み、苦しむ。

 まさに、運送会社の社長を主人公に、運送会社、自動車メーカー、銀行のサラリーマンたちの「綺麗事だけではない仕事人の世界」が描かれていました。

 上層部や上司が悪役として描かれているのは、いかにもサラリーマン向けという感じがして面白いです。

 俳優陣も、落ち着いた演技を披露してくれています。主演の長瀬智也さんは、運送会社の社長っぽい熱い男になり切っていてよかったです。ムロツヨシさんも、出てくるだけでほっこりしますね。ディーン・フジオカさんも、非常に抑えた演技で、とても魅力的でした。

 サザンオールスターズの主題歌も良かったです。

 見やすい正統派人間ドラマだったので、『半沢直樹』をはじめ、池井戸潤原作の映像作品を見たことがない方には、ぜひ見ていただきたいです。
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