たくや

空飛ぶタイヤのたくやのレビュー・感想・評価

空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)
3.7
The池井戸潤な社会派ヒューマン作品。
弱者な立場の人間達が腐った大企業に勝つ、という池井戸潤作品のお決まりの逆転スタイル。この毎回のお馴染み感、この水戸黄門方式が分かりやすくて好きなんです😂

ある日突然起きたトレーラーの脱輪事故、急に外れたタイヤが中を舞い、近くにいた歩行者に当たり死亡した事故。事故の原因は何なのか?整備不良を疑われた中小企業社長の赤松(長瀬智也)は大手グループ会社がタイヤの欠陥を隠す=リコール隠しをしていることにたどり着く。

リコール隠しをする大企業の闇。しかしその社員達にも立場や家族がいて‥という人間臭い一面も出てくるのが面白さのひとつ。悪でやってるわけではなく、自分や周りを守るというのが連鎖して闇を生んでいる(まあ中には絶対悪のか人間もいるけど、この作品だと岸部一徳演じる糞やろう)。
これはフィクションであって欲しいけど、本当に起きてるのが悲しい。この作品のベースとなった「三菱リコール隠し」は吐き気がする。実際の死亡事故は母子三人が亡くなってる、たぶんこの映画の何倍も酷い全容なんだろうな。

ホラー、グロいなんていうフィクション作品より、このような事件事故のノンフィクションの方がよっぽど恐ろしいと思う。
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