如月

空飛ぶタイヤの如月のレビュー・感想・評価

空飛ぶタイヤ(2018年製作の映画)
4.2
舞台挨拶・完成披露試写会に行ってきました。原作本は読まずあらすじだけ予習し、いざ。

主演は長瀬智也さん。真っ赤な炎をメラメラと燃やし続けるような赤松社長の闘志と男気、周囲に支えられ励まされ、追い詰められながらも巨大企業に潜む闇に戦いを挑む姿が素敵です。家族の存在や母のような大番頭(笹野高史)さんも良かった。

企業と個人の立場、それぞれの正義の狭間で揺れるホープ自動車の沢田課長の葛藤が丁寧に描かれています。ディーン・フジオカさんの端正な佇まいとスマートな所作はみごと。様々な表情で苦悩する沢田課長の心の内が表現され、引き込まれます。ハマリ役がまた増えた気がします。

高橋一生さん演じる井崎銀行員は、言葉少なに冷静に事態を見極める青い炎。学生時代の友人である週刊紙記者との洒落た大人の会話が心に残ります。

豪華キャストもみどころの一つ。登場人物が多いので、立ち位置やそれぞれの思惑を十分に理解し深く味わうために何度も観たくなります。違う角度から臨めばその度に新たな景色が見えてくるに違いありません。

監督曰く最初編集して3時間になったのを2時間にして濃密な作品になったとのことで、登場人物の背景の簡略化は止む無しでしょう。

ラストは心地よい爽快感に包まれ励まされる作品です。勇気が湧きます。エンディングのサザン「戦う戦士(もの)たちに愛を込めて」で背中を押され映画館を出る足どりも軽やか。