たく

ワイルド・スピード/ファイヤーブーストのたくのレビュー・感想・評価

3.8
息子を守ろうとするドムと彼に父親の命を奪われた男の復讐劇という「父子の絆」を軸に展開するシリーズ10作目。前作で宇宙まで行ってしまい、インフレし切ったアクション演出をいったん基本に戻す感じになってて、B級臭さを感じさせる派手なカメラワークやドラッグレース会場のいかがわしい雰囲気を入れてくるところに懐かしさを感じた。ダンテが先回りするくだりが多過ぎて、終盤ちょっと飽きたかな。でもエンドクレジット途中の待ち望んでたキャラの再登場には最高にテンション上がったね。

10年前にドムの一味に財産を盗まれ、父親まで殺されたダンテが復讐を誓う場面から始まるところから、現在のドムが息子にドライブテクニックを教える幸せそうな場面に繋がり、早くも父子の絆を通した因縁の二人という図式が示される。かつての宿敵サイファーが瀕死の状態でドムに危機を告げに来るところから、ローマン達がローマに向かうミッションがダンテの囮作戦と知ったドムが彼らを追う展開となり、最初のド派手なアクションシーンとなる。

ファミリー達が世界各国に散り散りとなって行動しつつ、終盤に向けて集結していく流れなんだけど、まあとにかくダンテが神の目を行使してドム達がどんなに頑張っても全て先回りして潰していくというチート展開が繰り返されるので、終盤ちょっと飽きてきちゃったね。本作は続編への序章的な位置付けになってて、ストーリーそのものはあまり進展しないものの、各キャラの再登場やカーアクションメインで見せる基本精神には好感持てた。

スーツをばっちり決めたテスが美しくて思わず見とれたんだけど、最初ブリー・ラーソンと気付かなかった。だいぶ体重を絞ったのかな?シャーリーズ・セロンにしてもミア役のジョーダナ・ブリュースターにしても、体型維持のプロ意識はさすが。男性陣では、ジェイコブを演じたジョン・シナがリトルBの保護者として大人の振る舞いを見せる姿に泣けた。
たく

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