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パンドラの小のレビュー・感想・評価

パンドラ(2016年製作の映画)
3.7
1日中家に閉じこもり、鑑賞済み映画の感想文作成にいそしんでいた日曜日、合い間の時間にNetflixデビュー。で、その第1作目が韓国映画の『パンドラ』。

福島原発事故をモチーフとしたパニック映画。韓国で公開されるや大ヒットしたこの作品を、本当は劇場で見たかったけれど、Netflixが公開前に世界版権を購入し、独占配信しているのだから、仕方がないのか、ありがたいのか、よく分からない。

建設から40年超と老朽化し、経済優先で安全確認作業が不十分なまま稼働を再開した原発が、そこそこ規模の大きい地震により故障。何とか修理しようとするものの、いろいろあって1基爆発、さらにもっと大きな危機が…。

緊迫の状況をゴリゴリと演出し、絶望的な中の最後の手段に観客が心を激しく揺さぶられるという、お馴染みの展開。

爆発により大量に放出されてしまった放射能は、住民を襲うゾンビやエアリアンかのように描かれ、さらなる危機が迫る原発は、昔SF映画で見た、地球にぶつかりそうな隕石を彷彿とさせる。

いくら何でもと思うような大げさなシーンは「誤解を招く」という類いの批判回避とともに、エンターテインメントの力によって多くの韓国民に対し「豊かさか、安全・平穏か」という問題提起したかったからなのかもしれない。

果たして映画のせいなのか? 2017年5月の韓国大統領選で「脱原発」政策を公約に掲げて当選した文在寅(ムン・ジェイン)大統領は就任から1カ月後の6月、福島第1原発事故にも言及し正式に脱原発を宣言した。

これについて、野党・正しい政党の金武星(キム・ムソン)議員は<「国政の最高指導者が映画1本を見ただけでその内容を受け入れ、国政に反映させるなどあってはならない」と批判した。金議員は「文大統領が映画『パンドラ』を見て感動し、涙を流して脱原発を決心した」と聞いているという。>
(http://www.recordchina.co.jp/b184376-s0-c10.html)

文大統領がこの映画で感動することはあったとしても、<内容を受け入れ、国政に反映させ>たとは、私は思えないけれど、どうなのだろう。原発問題について不勉強な私は、原発推進を主張しているというドキュメンタリー映画『パンドラの約束』を見てみたくなったけれど。
(https://news.yahoo.co.jp/byline/kihirateruyuki/20140302-00032900/)

●物語(50%×3.5):1.75
・心がざわつくテーマ、ベタな展開。

●演技、演出(30%×4.0):1.20
・緊迫感、緊張感続き、退屈しない。

●映像、音、音楽(20%×3.5):0.70
・迫力あり。
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