シネマJACKすぎうら

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のシネマJACKすぎうらのレビュー・感想・評価

4.2
ゲイリー・オールドマン演じるチャーチル像がどこかチャーミングで愛らしい。どちらかといえばコワモテキャラな"かの英首相"に、こんなぶっ飛んだキャラ付けができるのは彼ぐらいじゃないだろうか。

ところがこの作品、実はそんな実在の主人公の半生を描いているわけではない。
クリストファー・ノーラン作品で取り上げられた、ダンケルクからの英軍脱出劇。その出来事を背景とした、歴史に残るチャーチルの一大決断を描いた数日間の物語が本作では描かれているのだ。

まるで舞台演劇の戯曲のような脚本。それが主人公の存在感と言い知れぬ苦悩、そして終盤にかけての高揚感を増幅させている。さらには、奥行きを意識した"映像づくり"と登場人物の顔面に寄ったカットのコントラストで、舞台演劇とは一線を画する、映画でしか成し得ない物語世界の構築に成功している。

そして、、
動画レビューでも詳しく述べたが、本作はイギリスならではの切り口で"ナショナリズム"を描いた映画とも言えるのではないだろうか。穿った見方をすれば、ここのところ政権批判に終始しているハリウッド作品への風刺と取れなくもない。
イギリスが世界に誇れる世界的な音楽遺産であるビートルズの名曲"Revolution"の歌詞を想い出す。。


本作のレビュー動画もUPしました!!
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https://youtu.be/ITxbuP38Lmc