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ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のnaoズfirmのレビュー・感想・評価

4.2

抜群の演技力🎬

ストーリーは第二次世界大戦時に英国首相に就任したウィンストン・チャーチルがヒトラーの脅威に立ち向かう姿を描いた作品でした。オープニングから引き込まれました。アカデミー賞主演俳優賞🏆ゲイリーオールドマンの引き込まれるような演技は素晴らしすぎました!!去年映画ファンを興奮させた「ダンケルク」の裏側を描いているような作品でした。

"ゲイリーオールドマンの役作り"
戦時中に起きたトップの交代。白羽の矢が立ったのは野党を唯一抑え込むことができる政界一のの嫌われ者。四六時中酒を食らい、葉巻を加え口を真一文字にし、猫背で青白い顔でこちらを睨みつけるように視線を送り、口を開けば何かと攻撃的に話す。そんな男の就任からわずか1か月に起きた英国のピンチ。彼がいかにしてこのピンチを切り抜けたか、どうやって国をまとめ前を向かせ、後のヨーロッパ、いや世界を救うきっかけを作ったのかを、美しい空撮とそれに対比するかのように所狭い室内劇をバランスよく描き、時にユーモアを織り交ぜた軽妙な会話をベースに、ゲイリーオールドマンにぴったりの役でした!!

"監督の演出"
本題が「ダーケストアワー」=最も暗い時間、ということで、秘書になりたてのエリザベスがチャーチルの部屋に入ると、カーテンで閉め切っており真っ暗なんですね。そしてカーテンを開けることで部屋に刺す一筋の光。これから首相に任命される彼を暗示しているかのような演出にまず驚きました。車の中から民衆を覗くチャーチルの視点。戦時中にもかかわらず町の灯とはごくごく普通に暮らしているのが読み取れる風景なんですが、これが後半雨の中歩く人々に変わり、普通に暮らしてはいるけれど心に不安を抱えているというのを前によるメタファーで描いている点。音楽も前半はチャーチルとその取り巻きとの絶妙な掛け合いを楽しませるような明るい曲調のクラシックが流れたかと思えば、徐々に重厚音のヴァイオリンが鳴り響く曲調へと変わる点細部まで演出にこだわっており、世界観に引き込まれました✨そしてなんと言っても、辻一弘さんのメイク技術力は素晴らしすぎました!!

"Vサイン✌️"
チャーチルはよく写真に写る際、勝利(Victory)を意味するVサインを高く掲げてたそうなんですが、劇中ではこのVサインを逆にして写真を撮られており、これがクソくらえという意味だということを知らず、エリザベスから笑われながら指摘されたシーンがとても面白かったです🤣

「ウィンストンチャーチル」という映画は彼を英雄として賛美するために作られた伝記映画と言うよりも、言葉という概念の持つ力を描いた作品だと感じました!!

"Darkest Hour"に一筋の光をもたらしたのは"言葉”だったのです。
人を殺すのが言葉であれば、人を救うのもまた言葉なのです。
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