チャーチルが「何をしたか」という映画ではなく、「何をどう演説したか」という映画だった。チャーチルのことは不勉強でよく知らないのだけど、スピーチがめちゃくちゃうまい人だということはよくわかった。(あとダンケルク観ててよかった)
前半はユーモアを多分に交えて観客をストーリーに引き込み、後半はチャーチルの心情の揺らぎと周囲の人の関わりに焦点を当てて感情移入させ、ラストの畳み掛けで一気にカタルシスを感じさせる作り。
暗闇にマッチの灯りでボゥっと顔が浮かんだところから、ずっとカメラ演出が多様で楽しい。引きや、カメラの動きや、配置でその場所の空気感がわかりやすく感じられる。圧迫感、緊張感、孤独感。自分のテリトリーの落ち着き。ひとりでいても、どこにいるかで全く違う空気。
ゲイリー・オールドマンも、特殊メイク辻さんも、オスカー大大大納得。素晴らしかった。
