ホイットモア大統領

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

4.0
第二次大戦ものは数あれど、政治家側に視点を当てた作品はそう多くはないのではないか?
本作は、ダンケルク撤退に関する政治劇と、チャーチルの人間ドラマをバランスよく取り入れてあり、娯楽作品としても逸品である。

そんなチャーチルを演じるは、変人をやらせたら随一のゲイリー・オールドマン。
目と声以外誰だかわからないほど、チャーチルそっくりに変貌した彼だが、その特殊メイクを担当した方の1人が日本人で、スクリーンに大きく名前が上がりアカデミー賞まで受賞したということは、大変喜ばしい!

変わり者のチャーチルだが、その信念を貫く姿勢はまさに"鉄の男"。
作品を通して何度かあるスピーチも、全く言ってることがブレていないのが凄い。

そして、彼を支える妻や秘書との関係もいいが、特にベン・メンデルソーン演じるジョージ6世との友情にグッときた。彼がいなくてもイギリスは危なかっただろう。
でも『英国王のスピーチ』といい、この人は本当にイギリス人から愛されているんだなと確信。

さらに本作は、『幸せの黄色いハンカチ』と並ぶぐらい、ハンカチの使い方が上手い、"ベスト・ハンカチ・ムービー"でもあるぞ!

個人的には、いつもIron MaidenのLive盤イントロで、本物のチャーチルのスピーチを聴いているため、ゲイリー・チャーチルの発音にはほんの少し違和感笑