カント

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のカントのレビュー・感想・評価

4.1
1500レビュー😄✨
断固として!ナチスのペンキ屋なんぞに屈するものか!英国チャーチル首相の就任後の5週間を描く、亥年🐗に相応しい猪突猛進型の偉人伝記💡

「治世の能臣、乱世の奸雄」とは曹操を指す言葉だが、さほど“能臣”でもなく閣内で“アイツ呼ばわり”のチャーチルがなぜ偉人たりえたか。
それは政治家の権謀術数に有りがちの【今のヤバい時代にババ🃏は引きたくない】の消去法で運良く?首相に就任したチャーチルが、国家の命運、そして人類の未来に重大な判断を下したから😆💡

▼本作を見ても、チャーチルの人物評を見ても、私の頭の中では「帝国主義者」って感想が正直抜けきらない。
1940年5月ナチスが“第三帝国”を標榜して驀進する中、チャーチル(及び英国王ジョージ6世)の運営する“大英帝国”の危機。※本作の補完として「ダンケルク」の鑑賞をオススメする声も多いけれど、合わせてジョージ6世に関しては「英国王のスピーチ」を見ると良い。本作中でもジョージ6世は吃音で表に出たがらない様子を描いています。

▼全然、違う角度ですが、ダン・ブラウンの「ラングトン教授シリーズ」の最新作【オリジン】には“ウィンストン”なる人物が登場して物語を盛り上げていました。ウィンストンは、本作ウィンストン・チャーチルからの流用で、ダン・ブラウン氏がチャーチルを高評している事が伺えます。

▼『歴史は私に好意的だろう。私が歴史を書くつもりだから』とは偉業を為したチャーチルの言葉。なんだか尊大に聞こえてしまう。
それに対して作中のチャーチルの妻の言葉が、チャーチルの人物像を的確に言い現している。
葛藤があなたを鍛えてきた。
欠点があるから強くなれた。
迷いがあるから賢くなれた。
妻を演じたクリスティン・スコット・トーマスは若い頃は妖艶さが魅力的な女優でしたが本作中の貞淑な才媛ぶりは見事💓

▼ラストシーン。名も無き市民の名前を記したマッチ箱が、大演説の草稿と言うのがとても良い。
あけましておめでとうございます😄
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