チャーチルを演じる、ゲイリー・オールドマンの上手さ。
豪快にして繊細。
自分の信念を貫くことが
国民の命を
兵士の命を
歴史あるイギリスの運命を左右するという葛藤。
日本人が手がけたという事で、特に話題になった特殊メイクも「なるほど」
役になりきるという意味では効果的なんだろう。
リリー・ジェームスという可憐な花の存在も光っていた。
秘書として彼女がいる事で
チャーミングであったり
傲慢だったり
引き出されるチャーチルの内面。
ファーストレディとなる妻もいい味を出していた。
しかしです。
あくまで私の意見ですが…
チャーチルのしたことは偉業なのは間違いない。
ただ、演出のドラマティックさがやや過剰に感じました。
特に終盤に。
音楽や芸術、スポーツなどは多少の脚色があってもいいかもしれない。
でも、政治や歴史がテーマとなると…どちらか一方の意見に偏ってしまう事への危うさがある気がするんです。
作品に主観があるのは当たり前だとしても、ある程度の客観性は守るべきかなと。
だから
熱くなりつつも
ちょっとひいて見てしまっている自分がいたんですよね。
映画と割り切って観れば、良かったんでしょうけど。
演技は素晴らしいし
シリアスさと笑いのバランスも良い。
作品としての完成度は高いです。
ダンケルクの奇跡の裏にあったカレーで戦った人達の存在。
それを知るだけでも、観る価値ありでした。