ほい

ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のほいのレビュー・感想・評価

3.9
前知識なしで。
どういう映画か?がわかり始める中盤から、急激に超絶面白くなる。

クリストファーノーラン監督の『ダンケルク』が兵士視点の地獄めぐり映画だったけど、
これはそのダンケルクのダイナモ作戦をチャーチルが決行するまでの政治側の動き。

政治の世界の方もまた違った意味で地獄だな。

30万人を助けるために、4000人を見殺しにする決断は言わずもがな、すごいんだけど、

「上手いこと和平交渉すればワンチャン、ヒトラーもイギリスの主権認めてくれるよ。勝てるかわからない戦争に挑むより好条件引き出す努力しようぜ」なーんて、主張する政治派閥もいたりして、国王も「それ、アリよりのアリ」とか言っちゃってて、軍事オプションより政治抗争の方が見てて辛そうだった。

その後の歴史を知ってる僕らからしたら、「いや、和平交渉なんかしてもヒトラーが主権なんか認めるわけないだろ。普通に考えて。」ってなるけど、この時代に生で行きていたら、そんなの「何が正解か」、なんてわからないんだよなー。

外敵として超強いドイツ軍は目前に迫っていて、内敵は日和見主義で議会はその政敵の派閥が未だ強い力を持っていて、頼みの綱のはずのイギリス国王は自分の事を嫌っている。。。詰み過ぎて発狂してもおかしくないわ。

単なるチャーチルSUGEEE映画ではなくて、現代に生きる自分にも得るものがあった気がする。

▼ー追記ー▼
映画でチャーチルを嫌っていたイギリス国王は、ジョージ6世で『英国王のスピーチ』の王様だったのか!

劇中、チャーチルが「国王は兄王の事で未だに私の事を嫌っている」って言ってたけど、そういや『英国王のスピーチ』で、放蕩でやんちゃな兄王が即位してすぐ問題ばかり起こすから、政治的に色々あって、退位したシーンがあったな。
それでジョージ6世は、吃音症持ちで人前に立って喋るのが苦手なのに、王になってしまう。

遊び人で頼りなく、王室にふさわしくない兄のせいで、余計に王室に「ふさわしくあろうとする」ジョージ6世が印象的だったけど、あん時チャーチルも絡んでたのか。

(いや、多分、常識だと思うんですけど、不勉強なぼくにとっては超面白いつながり・ω・ )
ほい

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