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ウィンストン・チャーチル /ヒトラーから世界を救った男のpikaのレビュー・感想・評価

3.5
直前に見たクリスチャン・ベールのチェイニーも良かったしゲイリー・オールドマンのチャーチルも良かった。名演とメイクの化学反応の凄さよ。

テンションが一昔前の感動映画然としてた。個々を見るといいんだけど物足りなさと肩透かし感は否めず。
そこで終わり!?ってビックリした。そんなもんか。「首相は言葉の魔術師です」みたいなのと「言葉を武器に戦場へ」ってのが軸なのか、政治家、それも変革した首相のドラマなので演説の上手さを際立たせることは重要だと思うが反応が画一的過ぎて説得力をあまり感じなかった。人物よりも映画の盛り上がりを優先しているように見えたことで観客各々が感じるべき部分を奪われたように感じてしまう。
脚本家が「博士と彼女のセオリー」の人みたいで比較して見ると、実在の偉人の半生を描く映画で人物がその業績を成す直前まで見せる話である点が似てはいるが、「博士と彼女のセオリー」はむしろ以降を見るよりも映画にした部分を見た方が面白かったし良い点をついている話であったのに対して今作は週刊連載漫画が10週で打ち切りになったから無理やり終わらせたような着地感だった。

序盤は史実にしては地味な話だなと思ってたら後半は史実にしては映画映えしすぎてる。史実の切り貼りというか脚色感半端ない。音楽とモブキャラの反応で観客を煽るところがベタを通り越してダサいレベル。さり気なくもなんともない演出とか粋にしようとして狙いが透けすぎてる。普通に見れるし楽しめるけど演出してます!ってのが見えすぎてた。
ロマンスドラマ系は好きだけどこういうのは無難で平凡だなと思わざるを得ない。よっぽど興味の湧く題材じゃなければもうジョー・ライトは見ないかな。
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