平沢智萌xxxネタバレ気味注意

巫女っちゃけん。の平沢智萌xxxネタバレ気味注意のレビュー・感想・評価

巫女っちゃけん。(2017年製作の映画)
3.0
個人的には「脚本悪かったなコレは…」と思える出来栄えだったかも…

原作があるのかもしれないけど、映画化にあたって尺足りなかったんじゃないかなーっていう物語の削られ方をしてる印象が強くあった(特に後半)

まずコメディーかと思いきや、いやいや、全く違って、むしろ「長い散歩」の超下位互換ってレベルにめちゃくちゃ重すぎるお話でした

重すぎたこと自体は別に俺の中での判定には響いてないです
かくいう俺も虐待を受けた子であるため、共感しつつ
言うなればしわす(広瀬ありす)の無意識下に生まれたアダルトチルドレンを彷彿とさせる心情に心痛を感じながら始終見ることは出来ました

…が、それだけ「子供の頃に植えつけられた心の傷」が大変である者に対して、表現や見せ方が軽い軽い!!!
しかし役者さん方が下手で「軽い」わけではなく、単純に脚本構成や台詞構成が大失敗していることにより、大切であるはずの「根底」の土台がしっかり描かれてない気がした

喋らない程の子供なのにやっていることが微妙だし
子供のママのヒステリーや暴力的面も「その程度?」だし…
(音的に平手打ち?って軽さの音だったのにあの青あざだし?)
しわすに懐中電灯投げられた時も、ママに殴られた時も一切声を発しなかった男の子…
「喋られない」と思わせるミスリードなのかもしれないけど、そこにミスリード持ってくるなら、それなりの理由がないと…

百歩譲って男の子の虐待はそこまで酷いものではなかったと仮定しよう?
だったら「もう少し違う子供になるはずでは?」としか思えないし「言葉を発さない」「笑わない」というのは極限のはずなのに…
それなのに誘拐もどきを起こした際の夜以降「しわすの一体何に対していきなり気を許した??」というその瞬間が全く分からなかった…
何かしら気に入って心を開きかけなければ虐待児があんなについて回るなんてことはないと思うのに…、一体なにが男の子の心を打ったんだ?という肝心の肝が無いに等しい!!

しわすは宮司である父が自分にしてくれたことをその男の子にした、というのはとても良い見せ方だったと思う
つまりその時しわすはなんだかんだと「救われた」と思ったからこそ、同じような境遇の男の子に同じことをしてあげようと思ったんだろう

そして男の子の放火グセ
これも本来なら、ここまでの背景があるのなら「理由」がある
なのに単純に「気を引くための放火」とは少し違って、単なるルーティンのように「いたずら」の延長になってしまっている
火をつけるタイミングがあまりにも「理解しすぎている」のが、男の子が放火に走ってしまう根底を軽く見すぎている気がして違和感

しわすはとても良い子です
「見たことないものを信じられない」とか
「神様に叱られたことはない」とか
ぶっちゃけすっげぇわかりみあふれますwww
俺自身も寺社は大好きだし、知識や信心自体はかなりありますが、最終的に「そんな程度で神様怒るほど心狭くないわwww」と思ってます(^^;
家が神社だから巫女やらなきゃならないってのも気に入らない気持ちの表れもとてもよく出ていて、反抗期ばりの納得のしなさ加減は「分からないこともないw」って部分でしたw

しわすの心情の変化や成長は、不十分ではあれど、なんとなく想像で補える状態ではあったと思います…
が!!それでもやはり脚本の流れや演出や台詞の構成により「軽すぎる」としか判断できない箇所が多すぎたのが残念でした

そして男の子のママの急な変化…!!!
コレ、本気でくっそイラつくほどに腹が立った表現箇所の一部!!
一体なにがあって急に改心したんですか?!!
「預かり証」でさえ鼻で笑うように投げ捨てた女が、1日経過した程度で一体なにがあってそんな心境の変化がありました?!
今彼に促されましたか?それとも今彼にフラれましたか?
フラれた瞬間に我が子への後悔がにじみ出てきちゃいましたか??
否!!あぁいう虐待する女はそういうことはしないですよ…
むしろ彼氏にフラれたのもしわすの所為だ!とヒステリックに怒鳴り込んでくるレベルでないと元から虐待しないです
「男のDV」と「女の虐待」は全く違うのに、ママのその見せ方は「DV男」の法則だから違和感しかない…
じゃあ前者で「今彼に諭され」でもしたんでしょうか??
だったら確実に「子供のため」ではなく、「彼氏が言うから嫌われない為に」が根底にあるはずだから あそこまで反省を見せるわけがない…

正直言って、本気の本気で重い話を背景に持ってきちゃっているのに、それを「映画」として表現するに、製作陣の誰一人理解してないのが とってもとってもよく分かる出来栄えであることに、心からの苛立ちしか覚えなかった作品でした

ただ本気で役者陣は素晴らしかったです
役者の技量不足で「そう受け取れる芝居だった」ではなくて、元から「そう指示された脚本だったから、ソレを芝居した」のは よ~く分かるので、役者さんに非はないですねコレ

DVや虐待受けた経験のある人が見ると、コレは矛盾や軽すぎることに苛立つ映画なんじゃないかなーと思った

コレだったら「長い散歩」を見てほしいと思った…

…にしても宮地獄神社!
とてつもなく立派な注連縄で出雲や伊勢に匹敵するレベルの かなりご立派なご神体を祭っておられる神社なのかな?!と驚きました!
注連縄の大きさは「中に祀っている神様の大きさにも比例する」と思っているので「そんなに大変な神様がおられるの?!!」と!!
参道も綺麗に陽の通り道になっている分、伊勢の分社かなにか??と思って気になって調べましたが、「日本一の大注連縄」だそう…マジで?!!
あの出雲大社の大注連縄よりデカいの?!!と思ったら「神功皇后」なのですね…