七沖

巫女っちゃけん。の七沖のレビュー・感想・評価

巫女っちゃけん。(2017年製作の映画)
3.7
〝絶対バチ当たるけんね。〟
メインテーマは別にあるが、巫女の仕事の様子も描かれていて、仕事ものとしても観れる作品だった。BGMのジャズが意外なほど合っている。

宮司の娘・しわすは、嫌々ながら神社でバイトとして働いていた。ある日、境内の中で隠れて暮らす少年・健太を発見し、身寄りのない彼の面倒を見るよう父から言い渡される。そこに彼の母親が現れて引き取っていくのだが、数日後、健太は顔に青あざを作って一人で神社に戻ってきて…というストーリー。

「なんかこれイジメっぽい気がするっちゃけど」
作法を覚える気もない、やったとしてもやる気がない。そして休憩時間には巫女装束のまま胡座でカップ麺をすする。
広瀬アリス演じるしわすのゆとり系巫女さん像はなかなか面白かった。
同僚の巫女も、絵に描いたような真面目系、ギャル系など、キャラ配置のバランスもいい。

そんなしわすが出会う健太は、無口だが悪戯が凶悪な男の子。カッターで武装したり、事あるごとに火をつけようとする危険人物だ。黒いゴミ袋をジャミラのように被っている姿が様になっている。

この二人がある事件をきっかけに物語後半で結託するのだが、賽銭箱から札を盗む健太に「ナイス!」とサムズアップするしわすがすごく活き活きとしていた。

健太の母親のラストは釈然としない…というか、あの母親はまた同じ過ちを犯しそうだと思ったが、それでも物語として綺麗に終わるので観賞後の気分も悪くない。ノーマークだったが良い映画だった。
七沖

七沖