ベルサイユ製麺

特別捜査 ある死刑囚の慟哭のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

3.2
父子家庭。タクシー運転手で、腕からモンモンがチラリする、訳ありっぽいパパはもう娘の事がだあい好き!娘の方も、思春期っぽく反抗はするもののパパの事が大好きです。ある日、警官たちが彼らの元を訪れ、父を力尽くで押さえつけながら「殺人の容疑で逮捕する!」「やってません!」「…!」「…⁉︎」…
……
コラ、韓国映画。いくらなんでも冤罪物好きすぎるだろ!ひょっとして日本に於る少女漫画原作物に当たる存在が韓国では冤罪物なのかしら?…嫌!超ストレス社会‼︎
ただ、この作品ちょいちょい変わったところがありまして…主人公、元暴力刑事の職業が、“法曹ブローカー”という初めて聞く物なのですよね。ざっくり言えば金持ちの犯罪者に良い弁護士を世話する仕事らしいのですが、コレ本来はどんな権限の有る仕事なのかしら?映画の中では刑事部屋も安置室も好きに出入りしてましたね…。因みに演ずるはキム・ミョンミン。独立を急ぎそうなアナウンサーっぽいルックスです。
もう一つの変わってるポイントは、タイトルから想起される重苦しいイメージに反して、全体のトーンに意外と緊張感が無い事です。シーンによっては殆どコメディ映画の様ですし、クライマックスの巨悪との対決シーンは、コナンくんや古畑任三郎みたいだったりして。まあ、お陰で過度な緊張は味合わずに済みましたし、他と違うというのはそれだけで歓迎すべき事です。
全体的にテンポは良いのですが、似たような展開を繰り返しがちでちょっと冗長に感じるかもしれません。そんなに集中せずに軽い気持ちで挑むのが吉と思われます。見どころは何と言ってもタクシー運転手を演ずるキム・サンホの佇まいです。ナチュラルに逆剃り風のヘアスタイルに素っ頓狂な表情。川俣軍司系のルックスで、誤認逮捕も止む無しです。全身のタトゥーのディレクションがバラバラなのも雑で怖い。韓国のタトゥー文化に興味が湧きますね。

それにしても、韓国人の警察権力嫌いと弁護士好きはなんなんでしょうね?アメリカ人の消防士好きと同じくらい不思議ですね。自分は警察好きですよ。深夜散歩してると話しかけてくれるから。優しいね。あと、カバンの中も見てくれるんだよ。