2021年 7作目
「ヤクザと家族」を見た影響で見れていなかった今作を鑑賞。この作品も近年のヤクザ映画の傑作だった。「ヤクザと家族」では現代社会での生きづらさやヤクザの変遷を描いたものでヒューマンドラマ要素が強かったのだが、今作は男くさいかっこよさが本当にたくさん詰め込まれていて、これぞ男の映画だなと思った。
白石監督の作品は今までも容赦のない演出が多々あったのだが、今回は特に凝縮されていた。冒頭から豚の糞や指を詰めるシーンは近年の日本映画にはなかった本気度合いが伝わってきた。主人公の役所広司さんの演技からでも型破りで破天荒な感じが伝わってきたし、コンビを組む松坂桃李さんの演技も素晴らしすぎた。他にも中村倫也さんが耳を噛みちぎるシーンとかも本当に最高だった。
ヤクザ映画では物語が堅苦しくてつまらないと思う人もいるかもしれないが、とにかく殴りあいがカッコいいし、実話を元にしていないので、エンタメ作品としても楽しめるものになっている。今年、予定では続編が公開されるそうだが、今作を越える素晴らしい作品になることを期待したい。