けーすけ

孤狼の血のけーすけのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
4.3
昭和63年の広島。刑事二課で暴力班捜査係の大上章吾(役所広司)は新たに配属されてきた日岡秀一(松坂桃李)とともに、金融会社の社員失踪事件を捜査していた。その事件の裏で蠢く暴力団組同士の対立が悪化し事態は混迷していく・・・








ずっと気になっていた作品をようやく鑑賞。R15+のレイティングという事で、暴力表現などの痛々しい描写が多々。苦手な方はご注意ください。

登場人物多いので事前に人物相関図を確認しておくことをおすすめします。
https://www.korou.jp/1/association/
(公式はスマホ向けページのURLが落ちているようなのでPC版で見てください)




刑事の大上は長年暴力団を担当して町の平和を守ってきて、、、と思いきや、その捜査手法が「警察じゃけぇ、何をしてもええんじゃ」と暴力あり賄賂受取あり放火あり(!)と違法行為もなんでもござれという無茶苦茶な人物。

そんな大上の部下として配属された日岡は、大上が過去に関わったある事件の真相を探るために県警本部から警察内部のスパイとして送り込まれていた、というのが中盤までのお話。

暴力団の組同士の抗争も交えつつ、大上と日岡のヒヤヒヤするような危うい関係のバディものとしてめちゃめちゃ面白かったです。


今は暴力団対策法も施行され、暴力団の勢力も年々弱まっているかと思いますが、昔の“必要悪”とされていたであろう頃の暴力団と刑事との繋がりが描かれておりました。

暴力団から情報を得るためには多少の事には目をつむったり、有益な情報を逆に与えて、潰さず殺さずに持ちつ持たれつな感じは「実際にこんな事あったんだろうな…」と。




大上を演じた役所広司は圧巻の一言。2021年の『すばらしき世界』では元殺人犯のヤクザ役でしたが、その前にこんなブっとんだ刑事役をやっていたとは…笑

日岡役の松坂桃李も安心して見ていられる存在感。最初は弱々しくも感じた雰囲気が、終盤には大上の魂が入ったかの如く変貌する様にはゾクゾクさせられました。



あと舞台が昭和63年という事で、お札やたばこポケベルといった小物や自販機や車といった大きなセットまで、かなり細かく当時のものが再現されていたのも目を見張ったところ。缶ビールがプルタブが取れるタイプのもので、どこから仕入れてきたのかとか気になってしまった。
何か平成以降のものは無いか?と目をこらしたけど、これといったものは見つけられなかったですね。


このご時世、描くにはなかなか難しいテーマだとは思いますが、あくまでフィクションで過去のお話としてみる分には楽しめる映画でした。2作目も早く観ないと!


2022/01/16(日) TSUTAYA DISCAS単品レンタルにて鑑賞。
[2022-003]
けーすけ

けーすけ