ひかる

孤狼の血のひかるのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
4.0
信じていた正義。
穏やかな毎日を願う人達を守り。
規律にそった力の使い方をしようと思っていた。
けれど、正しい道を歩むことだけが、正義の貫き方じゃない。
そしてたとえ自分が誰に嫌悪されようとも。
人々が毎日普通の暮らしを送る、そんな簡単で難しいことを支えていけたらいい。
それを、あの人から学んで。
そう。正義の在り方を。
それを知り、いつまでもその背中を追いかけたかった。
けれどもう、あの人はいない。
信じたくない、現実。
行われた許せない、事実。
捨てきれずに抱えていた幼い自分の正義はその時瓦解して、力の使い方を知った。
あの人のことが、いまなら理解出来る。
あの人の理想は高く、その仕事は大きかった。
当然、不在のあなも大きい。
そして、その不在は埋めなければ。
それは、この自分が。

自分こそが、あの人の歩んだこの道をいこう。

1人きり、命を削り。

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やっと、意を決しての鑑賞。
いくつかレビューを読ませて頂き、なかなかキツい場面が出てくるらしいとのことで、戸惑いが。
けれど、始まるやいなや、作品に夢中になった。
そして鑑賞後。松坂桃李さんの演技について、一緒に観ていた妹と話が盛り上がった。
作品のスタートとラストシーンでの変貌
が凄く、また豚小屋のシーンでは、その瞳の表現が、ただただ怖かった。

松坂桃李演じる1人の刑事の、理想から現実への転換。あまりにも切ない痛み、役所広司演じる大上、彼を失うという痛みを味わい、その上で、彼の抱いた理想を引き継ぎ、彼の歩いた道を歩き始める。

あっという間の2時間でした。
画面から思わず目を背けてしまうシーンはありましたが。
面白かったです。
私には良い作品でした。

Netflixにて。 2022/02/15/ 。
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