ヒロマークス

孤狼の血のヒロマークスのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
4.3
元気。

キャストがみんな世界観にドハマりしてて魅力しかない。

殺意バリバリの精神状態で、おんどりゃー!って激昂してる物騒なキャラクターがとにかく抗争したく仕方ないのだ。

昭和終幕寸前の広島の下品な界隈がこれまたいい味だしまくってた。

昭和精神の伝統ヤクザが頑張ってゴリゴリとヤクザするエキサイティングなエンタメ。

白石監督らしいドロドロしくて、ごっついバイオレンスが活写されていて爽快。

犯罪ドラマとしても見事な作りになっていて、痛くて血なまぐさい表現だけじゃなくてちゃんとストーリーが面白い。

役所さんがトレーニング・デイなデンゼル・ワシントンみたいな私利私欲の悪しき汚職刑事かと思わせての本当の自分の役割や刑事としての内なる思いが、当初は役所さんの暴力団まがいのハチャメチャ捜査を忌み嫌っていたイーサン・ホーク的に頑固に純真無垢に法の正義を信じる監察官役の松坂君が理解していくことで、後半の復讐心メラメラに燃える松坂君に感情移入たやすくしていく作りがさすが。

人物描写が丁寧。

そして、役所さんの説得力というか映画的迫力って凄いんだなって改めて感動。

大傑作でした。

日本映画の最後の希望が白石和彌。
業界で最もエンタメを知り、エンタメしてる人。

汚い血や腐った死体、野蛮な人間、目を背けたくなる純粋な暴力を真っ向から描ける人はこの人しかいない。
ヒロマークス

ヒロマークス