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孤狼の血のlarabeeのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
4.4
【がんばれ広大】

広島を舞台にしたヤクザ映画と言えば当然『仁義なき戦い』だが、こちらもなかなか。時折耳に入ってくる広島弁やナレーションを聞くだけでもいい意味でオマージュ感も出てる。

役所広司演じる山上、ヤクザを追う刑事でありながらヤクザと繋がっており警察からも内偵を受けている。彼を内偵してるのが山上とコンビを組んで捜査している若手刑事、松坂桃李演じる日岡。

その設定だけでゾクゾクするのだが、失踪者の捜索やヤクザ同士の抗争、14年前の殺人事件の真相など、いくつものストーリーが縦軸や横軸の様に絡み合って見方によってはごちゃごちゃするが、それが最後の最後に収斂し、山上の謎、行動の背景、信念が明らかにってからは鳥肌モノ。何ともカタルシス。

同じような刑事のバディ物で必要悪と本当の悪のスレスレをいってる作品と言えば『トレーニングデイ』も観応えあったが本作も負けていない。

山上も日岡もカッコいい。そしてそれを役所広司、松坂桃李、二人とも見事に演じ切っている。
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