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孤狼の血のgogotakechangのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
4.6
「竹野内豊の正しい使い方を知りたかったら白石和彌監督に聞け!」と言わんばかりのハマりっぷり。
『彼女がその名を知らない鳥たち』でも人間性ゼロの最悪なヤツを、地なんじゃないか?と思うくらいにドンピシャで演じきっていた。
"カッコイイのに情けない男"は阿部寛に任せておけばいい。竹野内豊には、日本人離れしてるくらい"臭み"がない。サラッとどうしようもないヤツを演じきれる稀有な存在である。背中の佇まいが高倉健のように憂いを帯びているのではなく、「どうしよう?」という途方に暮れたもので、そういう人間が追い込まれた挙げ句に味方をもぶち殺してしまうとき、狂気を孕んでいるものなのだが、それが全く見えてこない。
これから何本も続くであろう白石監督とのタッグのスタート地点に、ワタシは立ち会えているような気がしてならない。

『オー・ルーシー!』で元刑事役だった役所広司がここでも凄まじい刑事として登場。もうこうなると、勝新やらミフネやらと同じで、出てくるだけで「待ってました!」と声をかけたくなってくる。

松坂桃李は本当にいい鉱脈を掘り当てた模様。若手の中で確実に頭一つ抜けてる存在。もう少しみっともなきゃ言うこと無し。

作品に関しては白石監督"渾身の一作"と言ってもいいんじゃなかろうか?
とにかく飽きませんでした。
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