ブラックユーモアホフマン

孤狼の血のブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
3.5
いやぁーーーヌルい……。ヌルいなぁ……。すーごい期待しちゃってたんだけど正直期待ハズレ……。
役所さんは汚い刑事役で言ったら『渇き。』の方が良かった。あれぐらいメチャクチャなキャラなのかと思ったらそうでもなく、(役としての=大上の)根の優しさが滲み出すぎてる演技だと思った。表面的にはもっとメチャクチャで人でなしに見える人で良かったんじゃないか。ルックスも『渇き。』の時と似てるっていうかほぼ同じで、この役、本当に役所さんで良かったんだろうか、と疑問に思う。
実質的な主人公は松坂桃李なわけだけど、これもまた、これでいいんだろうか、という演技で……。
江口さん、竹野内さん、真木さん、なんかも他の作品ではすごく良いのに、今回に至っては、なんか違うなぁ、ハマってないなぁ、と感じた。
逆に良かったのは、音尾さん、滝藤さん、勝矢さん、石橋蓮司さん、一瞬だけだったけど獅童さん、とか。
瀧さんって今や役者として引っ張りだこだけど、正直良いなと思ったの、『凶悪』だけなんだよな。今回は、悪くなかったけど、やっぱ良いまでいかないんだよな。ちなみに「アウトレイジ」シリーズとどっちも出てるのは瀧さんと蓮司さんだけかな。
「バイプレイヤーズ」メンバーでアウトレイジシリーズには出てなかったトモロヲさんはこっちに出てたけど、トモロヲさんの演技ってクセありすぎてハマる作品が限られるよなぁ。
カメラも釈然としなかったなぁ。寄って欲しい時に寄らなくて、引いて欲しい時に引いてくれなかった。カメラポジションそこであってる?ってずっと感じてた。役者の演技を殺しちゃってるような。
東映じゃけぇ、何してもえぇんじゃ、って言う割には大したエロもバイオレンスも無かった気が。でも藤原カクセイさんの仕事はさすがだったなぁ。本当に素晴らしい。
ヤクザ映画じゃなくて警察映画だった。警察内幕モノであって、だから『仁義なき戦い』とか『アウトレイジ』を期待して観ると、違う。
ナレーションも、『仁義なき戦い』オマージュ(というよりパロディ)以上の役割を担っているとは思えず、中途半端。
役所さんと松坂さんの関係性はちょうど『日本で一番悪い奴ら』の中村獅童と綾野剛の関係性。かと言って『その男、凶暴につき』のような興奮は感じなかった。『日本で一番悪い奴ら』の方がまだ良かった。
役所さん演じる大上(この狼と掛けてるネーミングセンスもダサい)は、ダークヒーローというよりただのヒーローだよね。もっとダークで良いのに。
うーん、、、残念。