木葉

孤狼の血の木葉のレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
3.8
役所広司の破壊力抜群の演技。
手段を選ばず、誰よりも怖い存在で、全てをねじ伏せてでも納得させる説得力。
松坂桃李を窘め、暴力団に睨みを利かせ、彼に関わる人たちが駒となる。
役所に負けじと尋常じゃないくらいにテンション高めでギラギラしている暴力団員たち、まだまだ右も左もわからず正義のセから語っている松坂、抗争の中でしか生きれない者たちの行く末をブレーキかけず緊張感途切れることなく追っていく。
一瞬の躊躇も気の緩みも許さない。
役者たちの熱量、重量感、いつキレるか分からない怖さ、スリル満点のジェットコースターみたいで。
役所の台詞が重く突き刺さる。反発しながらも彼の背中を追って折り合いをつけていく松坂も弱々しいけどいい。
こういうのを観ると、まだまだ日本映画も捨てたもんじゃないと思えてくる。
コンプライアンスやモラルも超えて、心躍り、現実を忘れさせてくれる力作だ。
木葉

木葉