カフェポタリスト

孤狼の血のカフェポタリストのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
4.0
東宝TCXの大画面にアナクロな波が砕け散る東映タイトルが出て、思わず笑った。
「仁義なき戦い」シリーズの、あの血がたぎるような興奮が、どぎつい広島弁と共に帰ってきた。

バイオレンス映画は韓国映画の専売特許のように思われているが、日本映画にもかつてそのジャンルが盛んに造られた時期が存在した。
東映には、古くは「十三人の刺客」に始まる集団抗争劇を発端とするリアルなアクション映画の歴史があった。
それが70年代に入り、任侠ものにとって代わって現代ヤクザの暴力映画が人気を博したあたりが、今思えば日活ロマンポルノと共に、日本映画全盛期の残り火だった気がする。
「アウトレイジ」なきあと、再びこの路線を引き継ぐ映画が現れたことは素直に歓迎したい。
「新・県警対組織暴力」としてのシリーズ化を望む。