Mrタクヤン

孤狼の血のMrタクヤンのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
4.1
呉弁ってのはなぜこんなにも魅力的なのか。ただただ呉弁の怒号が飛び交うだけで、楽しい気分になれる。
ヤクザ映画というよりは警察映画で、観終わったあとの虚しさ・寂寥感などは殆ど無い。ので、そういうの苦手な人でも比較的安心して観られると思う(ブタのクソ喰わせるシーンとかはあるけど)。
逆にいうと、そこは評価を分けるポイントかもしれない。
往年のいわゆる「実録モノ」を期待してみると、肩透かしを食うだろう。実際自分も途中からは何か違うな〜?と思って観ていた。が、そんなこと考えながら観ていると、大上さんに「なに眠たいこと言うとるんじゃ、ボケェ!」とか言われそうなんで、考えるのを止めた。
それはそれ、これはこれ、 である。

暴力描写の匙加減が絶妙で、「これ以上やると悪趣味だな〜」っていうギリギリのラインを攻めている。かといって、「どうせこれは見せないんだろ〜」っていうところはキッチリ見せてくる。水死体、血塗れの◯◯◯、ブタのクソなどなど……。
嫌悪感・爽快感を使い分けるバランス感覚が素晴らしかった。

驚いたのが、舞台となる年代が昭和63年だということ。てっきり昭和50年代くらいなのかと思っていたら、今日の天皇陛下の〜とか出てきてビビった。
自分は平成一桁生まれだが、生まれる数年前までこんな生活をしていたのかと衝撃だった。

今この時代にこのテイストの映画が撮られ、まさか劇場で鑑賞できるとは思わなかった。
名作たちへのオマージュもたっぷりだし(竹野内豊なんてどっからどうみても千葉真一だよ)、ここを入り口に色々な実録モノを観てみるのも面白いと思う。


余談。
主演の松坂桃李の他に、最近は広島のローカルタレントやってる(らしい)さいねい龍二も出ている。共演シーンも多く、デカレッドとシンケンレッドだ!!と戦隊好きとしては盛り上がった。
しかも!それだけじゃないのだ!
なんと松坂桃李と伊吹吾郎の共演シーンもある。もはやシンケンジャーそのものである!
撮影中に「殿、立派になりましたなぁ!」なんて会話があったりした……かなあ、なんて想像すると楽しい。