どーもキューブ

孤狼の血のどーもキューブのネタバレレビュー・内容・結末

孤狼の血(2018年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

白石監督の仁義なき警察物語



東映配給。R15指定。
原作柚月裕子。
脚本池上純哉。
監督白石和彌。


ロマンポルノリブートで素晴らしいリメイクを魅せてくれた白石和彌監督。

「雌猫たち」(元ネタ田中登監督1972年「雌猫たちの夜」こちらも面白い。)それぞれの風俗嬢、それぞれの猫っぷりを元気に根暗に表現されていた。本作見て、白石監督のファンになった。調べると白石監督の師匠は、あのインディーズポルノ作家の若松考二だ。若松プロも始動という嬉しいニュース。そして私も資料請求した中村幻児監督の「映像塾」の門下生だった。

はやいうちからチラシをゲットしていた本作。予告見ると役所広司が柄悪く警察官を演じている。さながら細野監督「ジャブ獄道」はたまた深作監督の「県警対組織暴力」のよう。

ちなみに
「孤狼」とは、
「狼と狐」
「ずるくて人に害を与える心を持つもの」とのこと。

役所広司ががなり、悪びれる。良心的演技派が、悪くなる。日本映画の見たくなる要素だ。

一切情報遮断して午後の回見に行った。何が孤狼で、何が悪か?予告のノリから何が見えるか見てきました。



いやあ!良かったです。
警察物だと久々の痛快なヒット「ポチの告白」以来かなこういう警察悪もの。

私の2018年日本映画ベストスリーにランクイン決定だあああ!てなくらい良かった。

宣伝やらで「仁義なき戦い」との触れ込み。確かに前半戦はその影響大な展開。だが、それは物語の導入フォルムだけだ。

「アウトレイジ」の答えという方もいたが、アウレジはヤクザ視点。本作は完全に警察物だ。どちらかというと深作欣二監督「県警対組織暴力」よりの映画だ。

ヤクザ構想物というより、あくまで主役は、筋金入りの○暴、役所広司の先輩デカ。くちわるい、容赦ない、風紀乱すは俺次第てな仕事ぶり。それを見つめる観客視点役の若手が松坂桃李だ。この2人の物語だ。

一見バディものに見えて、いやいやなかなかの反面教師バディに落ち着く。

特に感動したのが、ラスト付近の松坂くん。深くシンクロし感動した。
その時の目が本当冷酷無比な目で素晴らしかった。目で演技をしていた、桃李の目に感動した。あのシーンに涙ぐんだおっさんここにありと記す。
また、劇中何度も吹っ飛ばされ、顔つきが若干変化しているようにも見えた桃李くん。個人的に原田監督リメイク「日本の1番長い日」でも若手将校を力演していてとっても良い感じだった。スキャンダルに巻き込まれないように祈ってます。

そんな松坂桃李を支えるラブ役に阿部純子。とーっても良かったです。朝ドラで見かけたのだが、本山のヒロインぶりに素晴らしい変幻を魅せてくれます。Wikipedia調べだと「大女優の予感」とのことだが、正統派な感じ、あえていうなら黒木華ラインに見えました。明暗しっかり女っぷり心持っていかれた。
あとメグミ(MEGUMI)さんね!冒頭必見。

役所広司率いる警察と対するヤクザ広島軍勢の皆々様も必見だ。

明らかに「仁義なき戦い広島死闘編」の千葉真一リスペクト丸出しファッションをする竹野内豊。はじめに竹野内?!と思っちゃった。

そして見てみたいヒール役だった
「あんちゃん」こと
「そこには愛はあるのかい?」こと
【「ひとつ屋根の下で」脚本野島伸司から】
江口洋介の中ボス。ちょっとイケメンすぎますが、江口洋介のヒールも良かった。

石橋蓮司の大ボスも貫禄充分。

白石組になっている電気グループ、ピエール瀧の特攻隊。富士山のかぶりものを着て歌うピエール瀧がドスをきかしているのはやっぱり笑える。

あと前作「雌猫たち」でユニークな風俗店店長をやって好感をもった音尾琢磨。今回も素晴らしいイジリをしたと白石監督ネット番組でおっしゃってましたが、必見の若頭役でした。
音尾さん!なかなかのいじられで爆笑してました!「どうでしょう劇団」ことチームナックス出身だったんですねー!チームナックス素晴らしい逸材!とんがりながらもかなりいじられるので必見だす。

矢島健一もどっぷりつかった警官役。

これまた珍しい口悪警官に田口トモロヲが出演。トモロヲさんのこういう役良いですねえ!悪いかんじ。

只今朝ドラ出演中の滝藤賢一も良かった。
なんか演技に悪が出てきた中村獅童。
食いつくママ役に真木よう子。

この警察対ヤクザ側の演技ぶつかりも必見適材適所のドラマであった。なかなかの人数出演するなか白石監督の素晴らしい演出と脚本で魅せてくれる。

一見「仁義なき戦い」に見せて、中盤以降役所広司のがなりたてに嫌気と興奮と毒にまみれながら孤浪という名の数々の狐と狼ばかりの悪いカーニバルにながされ、エンドロールに流されていく。

まあぶっちゃけ、かつての東映任侠映画の凄みみたいなのは、少し薄れるのだが。キャストを冷静俯瞰で見ると

「みんな良い人、普段優しそうな方ばかり」

なのだが。
ラストの流れは、抗争の血、孤浪の血を感じた。

まあ、正義を正すにも、飴と鞭は、あるし、悪い警察官も今も現存、活動していると思う。つまり役所さんみたいな人はいないのかもしれないが、スレスレな方は無数にいると思うし、松坂桃李の成長後からもしかしたら本当の「警察官」になれるのかもしれないと映画だけの偏り知識のみでイメージしている私。

役所広司が次第に魅力的に見えてくる、悪いのにガンガンやったれと応援したくなるから本作の孤独な警官血に魅了された。今は何が暴力で誰が暴徒とかすかわからないジャパンなんで、怖いよねえ。だけど役所さんみたいな風貌みたら逃げだすわ、わたし。


東映ヤクザ映画ファンの方!是非ごらんになっていただきたいと思います。



さて 
白石監督の仁義無き警察、害を与える狼犬

白石監督の仁義なき警察物語

ぜひごらんください!

追伸
2018年日本映画ベストテンに確実にランクインだ。

役所広司の悪ぶりが見たい方は、細野辰興監督の「ジャブ極道」もおすすめ致します。

役所さん、勿論悪ぶりますが、品があるよねー、やっぱ!!!

あと白石監督の初期作品もチェックしていきたいです!「ロストパラダイスイントウキョウ」とか。

本日Yahoo!ブログ投稿、フィルマ加筆版。