ミヤザキ

孤狼の血のミヤザキのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
4.4
劇場鑑賞35本目。

宣伝文句でよく「東映版アウトレイジ」とコピーされていたので、今作は暴力をエンタメに描いた作品かな〜と思っていました。

でも良い意味でそんな大層なモノじゃなかったです。

これは男と男のアツい物語。師弟物語。

もちろんエログロバイオレンスはありますが、個人的に注目したいのは人間味溢れるキャラクターたちです。

役所広司演じる大上はヤクザと癒着をしつつ均衡を保とうとする。そのためには暴力や拷問もします。そう考えると人間味の無い人物ですが、時折見せる茶目っ気溢れる笑顔や人情、慕われ方。役所広司の演技力も加味され、男臭い人間に仕上がっていました。これがすでに自分の中の大上というキャラクターに裏切られました。こんなに”人”というものを愛していたとは。

そして松坂桃李演じる日岡、最初は大上に振り回される人物でしたが物語の中盤から目付きが変わります、ネタバレになるので書きませんが、終盤にかけての松坂桃李は本当に素晴らしいです。泣かされました。

白石監督はこれまで「凶悪」や「日本で一番悪い奴ら」などで善と悪、正義とは何かを問いかけてきました。この作品がアウトレイジや、韓国アクションと違うのは、ミクロ的な視点、ヒューマンドラマ的に作られていることだと思います。

ヤクザ映画に興味無い人でも観て欲しいです。こんなに”生きた”映画はなかなか見れないと思います。