カワウソ王国の終焉

孤狼の血のカワウソ王国の終焉のレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
4.1
5月25日公開の映画も数多くある中で、ピーターラビットでもなく、ゲッティ家のリドリー・スコット監督作品でもなく、友罪でもなく、『孤狼の血』を観た。

エログロ、ゴア、グモ、キリカブ、生首、悪臭等々が嫌いなのに、あまりにも高評価で、オススメ作品に間違いが無いkyoさんまで良いというのだから、観た訳ですが……。
正直、目を背けても、耳から入ってくる嫌な音と台詞には苦しめられました。
でも、でもね、もう1回観たい。

お話は、『仁義なき戦い』と『アウトレイジ』を足して白石監督スパイスをかけた濃厚なヤクザ映画。
やっぱり東京弁よりも大阪弁、大阪弁よりも広島弁が怖いですねぇ。

役所広司演じる手段を選ばずホシをあげて行くマル暴担当の刑事が破天荒なんだけど、仲間からも周囲からも慕われるという難しい存在が神憑り的にカリスマだった。
宝くじのCMで好感度上がっていたが、これはイイですね。
『渇き。』の時も似た感じの役だったけど、あんな外道とは全然違う。

小物感漂うヤクザの親分を演じたら日本一な小林蓮司と、小物感漂う警察官僚とハッピーボーイを演じたら日本一な滝藤賢一が安定感抜群で、不思議と観ててホッとする。

怖い人達が沢山出てきて暑苦しくて臭い映画だけど、掃き溜めにツルのような暴力団幹部の江口洋介が今回の一推しです。
今まで見てきた役柄の中で1番ピカピカしてた。

そんなこんなで、嫌いな俳優ツートップの役所広司さんと江口洋介の株が赤丸急上昇した有難い映画でした。

気持ち悪くて、怖くて直視出来ないシーンも多々ある映画だけど、私は泣きました。
入れ子構造のように入り組みながらも、明確に物語を紡ぎ出した原作者と監督の手腕に、誰でも心震える傑作を観た。