そまたま

孤狼の血のそまたまのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
4.5
日本映画を舐めていた。
去年の全員死刑を彷彿とさせる、傑作バイオレンス超大作!

開始1分いきなり豚のクソを喰わせ拷問シーンで始まり、生半可な思いで作ってません、ホンモノを見せますとガツンと宣言、もうここで一気に心を掴まれ、後はそこか息つく暇なく血の煮えたぎる濃密な120分。

バイオレンスのリアルな描写も、笑いを混ぜ込みちゃんと抜きどころを作っている一方、覚醒後の松坂桃李が圧倒的な暴力を振るうシーンなど、見ていて背筋が凍るシーンも多数。
俳優の演技の素晴らしさはもちろん、撮り方や演出全てを用いて暴力をどう描くかに対して非常に拘っているんだと感じた。

細部をとことんリアルに描くからこそ、鉄砲玉としていいように利用される末端の若者たちへの無念な気持ちが込み上げてくる。
かつての仁義なき戦いで描かれていた、上の者が下の者に責任を押し付ける組織的な構造は、この映画の中でも描かれているのと同時に、現在の日本社会全体に未だに蔓延している。
がみさんは日岡に、正義とは何か?と問う。
がみさんの行為が全て正しいとは思わないが、彼が彼自身の正義を貫き通したことは事実であろう。
そしてその意思を受け継いだ日岡刑事が今後どんなどの様に成長していくのか、続編が非常に楽しみ!!

2018-97
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