このレビューはネタバレを含みます
東映暴力映画の復活!
バイオレンス作品が多い白石監督だが、中でも1番好きなのは凶悪。
実録物とは思えない度を超えた暴力をピエール瀧とリリーフランキーの怪演もあって日常に潜む恐怖をこちらに植え付けてくる、まさに凶悪な作品だったが、今作は凶悪のような身も凍るような演出というよりも痛快エンタメ寄りの仕上がり。
冒頭から予想以上に深作感が凄く、もろに仁義…というか県警対組織暴力な内容に少し笑ってしまった。
昭和終わりのじめっとした空気感が何ともたまらない、こちらまで蒸し暑くなる作りで、監督の演出力の高さを感じた。
序盤からブッ込んでくる養豚場でのもぐもぐタイムはヤクザ怖えぇ!と思える凄みのある暴力描写で最高‼︎
ラストの便器にぶち込むぶっ殺し展開も迫力があり最高に楽しめた。
ただ役者陣は演技派で好きなメンバーが揃っている割にヤクザ映画独特の怖さがイマイチ感じられず、ヤクザの役作りの難しさを感じた。
その中でもやはりベテラン伊吹吾郎の存在感たるや…流石と言わざるを得ない。
役者を際立たせる演出と斬新な暴力描写を作り上げる北野武って本当上手いんだなと改めて感じてしまった。
だが正直1番の不満はラストの展開。
このキャラクターにあんなお涙頂戴な展開なんて必要ないよー。あってもいいけど過剰すぎるー、という自分との温度差があってあまり納得いかなかった。
もっとおっぱいだせや!
最後までぶっこむところ見せろ!
トゥーリー最後の煙草のカットダサすぎるぞ!
…などなど不満点もあるが、十分楽しんだからこその不満。笑
というか期待値が高すぎたのかな…
今作のヒットを機にもっともっとバイオレンス映画が増えて欲しいと切実に思う。
蓮二さんのやられっぷりは本当に…たまらん!