二年前、綾野剛と組んで道警をボロカスに描いた白石和彌が、今度は松阪桃利と広島県警をボロカスにするのかと思ったら、ちょいと違った。
今回は、東映ヤクザ路線を踏襲ときたもんだ!
キレの良い演出は良いのだけれど、かつての東映とは違って、あくの強い俳優が絶対的に少なくなった。
スクリーンから匂ってきそうなギラギラした汗臭さ、体臭の感じられる役者がいなくなったことが、白石監督の大きなハンディキャップ。
役所工事が一人で毒気を吐いているが、刑事に対抗するヤクザ側にもこんなキャラクターが一人は欲しいものだ。
松阪桃李も好演してはいるが、『日本で一番悪いやつら』で綾野剛が演じたブチ切れ感には適わない。
阿部純子が凄い、朝ドラでトトねえちゃんの親友を演じていたとは、信じられない成長力。
もし、続編ができるならば彼女を狂言回しに使ってみたら・・・。