なおこ

孤狼の血のなおこのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
4.0
対立する2つの組の抗争。それを阻止するべく動く刑事。翻弄される若い刑事。賄賂にまみれ汚い手を使い、本性を見せない男の正義と信念はどこにあるのか。

波ザバーン!画像の荒い東映ロゴ。縦書き赤字のキャスト名から始まるザ・昭和のヤクザ映画。
もう昭和。凄く昭和。クーラーの無い夏にハイライトとスーパードライとあだち充…昭和だわ~。
「昭和63年〇月×日~」みたいに、事件のあらましを説明するナレーションがまた昭和感あって!なんと二又一成さんなんですよナレーション!ウルトラマンティガの!ウルトラゾーンの!ドキドキしちゃった。

ある点からどどっと一気に面白くなる。着地点や主人公のキャラクター性は平成に作られた映画ならではなのかも。
ミステリー要素は特になく、程よいバイオレンスさが、あくまでヤクザ映画と主張してきて良い。拷問シーンは内容からして、自分の口の中も気持ち悪くなるエグさ。

役所広司を筆頭に癖のあり過ぎる役にカッチリはまってるキャストが良い。どうしたって癖のある滝藤賢一。癖のあるシャングリラ。松坂桃李のファンがとても羨ましいです。好きな俳優さんのお芝居をこんなに味わえるなんて。
そして、若頭の江口洋介にだけ従うシャブ中で鉄砲玉の狂犬のような中村倫也が私に刺さってるぞ。
広島に帰って実家を継いで、地元で活躍を続けている載寧龍二が地元の警察官役で出てたの嬉しかった。デカレンジャー。東映出身。

旧時代の表現に引っ掛かってしまう人は苦手かも?どうしても作り手の思想も入ってくるから隅々まで楽しめるかと言われると、私にもそれは難しい。でもこの2018年に、東映がヤクザ映画を作ってくれたんだ。嬉しいじゃないか!!
なおこ

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