東映ロゴの映える映画。
あの波ざっぱーんってのも本編の一部かと思うくらいにマッチしすぎてからの、
本編のこちらにまで蒸し暑苦しさを感じさせる映像。
グロい汚い、目瞑りたくなるシーンも多く、
映画でなかったら、テレビ放映だったら思わずチャンネル変えてしまいそうな苦手ジャンルだったにも関わらず、脳裏に残るざらついた爽快感。
血が滾る、なんて普段は使わないような言葉さえ浮かび書き連ねたくなる。
正直、テレビやDVDでもいいかと思う作品もしばしばある中で、映画館で観なければしっかり観ることのなかったであろう作品。
映画館という独特のある種逃げ場のない、暗い齧り付く環境でないと味わえなかった感覚。
ああ、これが昭和か。これが任侠、極道か、これがダークヒーローか。
観たい気持ちはありつつもこれだけ評価が高くなければ観に行ってなかったかもしれない。目を瞑りたくなるシーンの応酬に観なければよかったと思う気持ちと、観てよかったと思う気持ちと、そんな相反する気持ちにさせられる。
ベテラン俳優と若手イケメン俳優などキャストのバランスも秀逸。人物相関図見るだけで、これは観るしかないと思わされた。
豚小屋の臭いもタバコの臭いも血の臭いも女の臭いさえも嗅いだような気持ちにさせられる没入感は、やはり凄い。