ベルサイユ製麺

孤狼の血のベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
4.1
吾輩は孤狼助ナリ!
初めての銃〜♪(フィリピン産)

いんやあ、おんもしろかったあ!!!
鑑賞前に不安に感じてたグロさも、バイオレンスもエロも不遜さもアレやコレやも、結果全て“面白さ”に昇華されてしまっている!見事!!

そして、…感想書きにくいナリー!
ヤクザ以上にドロドロに手を汚して、暴力団同士のパワーバランスの調停役を一手に引き受けるオオガミ。一手二手と裏をかき合う修羅場の綱渡り。…からのレガシー。
パーツ単位で見れば各エピソードにそこまで新鮮味は無いのですが、白石監督ならではのエッジーな表現と構成力、抜群のチューニング感覚によって、近年稀に見る異形の作品に…って普通の褒め方になっちゃますな、これ…。
でも、ホントしょうがないんです。題材のピーキーさからは想像つかないくらい平均的に良く出来た作品になってるのですもの。文句無し!…反面、『サニー/32』のギザギザッぷりが恋しくなる…って言うのは単なる無い物ねだりです。
役者陣は言わずもがなの切れ味・凄みで、一人一人挙げていくのが馬鹿馬鹿しいのですが、やはり自然と注目してしまうのは、ピエール瀧・元死刑囚です。脇役ながら個人的にはキャリアベストに思えました。それにしても、右翼団体の幹部役…。瀧・元死刑囚が復帰するまでは、ギュウゾウさんが代わりを務めれば良いんじゃないの?ホンモノはダメ⁇

作品全体のディテールは偏執的なくらいのレイト・昭和なのにもかかわらず、往年の東映ヤクザ映画的なフィーリングはほぼ感じなかったのが不思議でした。寧ろ韓国ノワールに近いかな?当時と今のそもそもの文法が根本から違う?
もちろん懐古主義的な打ち上げ花火なんて悲しくなっちゃうので、どんどんアップデートしてNEO・昭和スタイルヤクザ映画のリブートしていって欲しいです。
…これ、海外の方にはどう見えるのかな?と思いロッテントマト覗いてみたのですが、なんとトマトメーターもオーディエンスも100%の高評価!…まあ、そもそもレビューが6、7本づつしか無いのですけど。
今作、アメリカではどのような映画として紹介されているのか、ロッテントマトのストーリー欄をグーグル翻訳先生の力を借りて日本語にしてみました!以下…

“1988年、広島の街はヤクザでいっぱいで、緩い大砲警官小神(役所広司)は彼らと同じくらい腐敗していると噂されています。 新神探偵日岡は、大神が彼に暴徒を振り落とそうとする2つの試みとして、彼を惑星と街頭の賢者で激突させたとき、これを難しい方法で学んだ。 行方不明者の事件は彼らを行動の厚さへと導き、すぐに彼らはエスカレートしているギャング戦争のクロスファイアに巻き込まれているのに気づきます。 白石(Twisted Justice)はまたもやざらざらとした上品でスタイリッシュな犯罪の銃撃戦と、正義と裏切りの境界線をあいまいにしている断絶された小指を届けます。”


…“新神探偵”?
“惑星と街頭の賢者で激突させた”⁇⁇

…これ、ホントに自分が観た映画とおんなじものかな?ひょっとしてアメリカでは『怪獣王ゴジラ』みたいに勝手な改変してるんじゃない?
…なんかそっちが観たくなってきたなぁ。
きっと松坂桃李は意味なくムカデを踏みまくるし、YAKUZAのCockにはパールじゃなくてチタンが埋まってるし、役所広司はオムニ社のテクノロジーでアレして「Half man, half machine, all cop!」で、ドドドッと火を噴くって寸法よ!ヤバイ!それ観せろ!
…あと、白石監督の後の(ツイステッド・ジャスティス)って何?ニックネーム⁇カッコいい!
ツイステッド・ジャスティス監督の次回作が楽しみですね☺︎

ちなみに、『仁義なき戦い』の英語タイトルは『Battles Without Honor and Humanity』。翻訳すると『名誉と人間性のない戦い』になるようです。…“仁義”とは?