ともぞう

孤狼の血のともぞうのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
4.7
青臭い正義を振り回していても、人の世は上手くいかない。本当に守りたいもののためには清濁合わせ飲む器量も必要。
ヤクザと連み、違法捜査もやるが、決して自分の私服を肥やすためではなく、目的は「堅気を守る」ため。
そんな泥臭いベテラン刑事を役所広司が流石の演技で魅せる。取調室で暴力を振るい、女と一発やるのに、周囲からガミさんと呼ばれる愛嬌まで表現できる懐の広さは役所広司でないと無理だったと思う。
松坂桃李も最初は広島大学上がりの青臭い新米刑事から大上の遺志を引き継いだ男になる成長を痺れる演技で魅せてくれる。
あと、舞台が昭和63年の広島。当時、自分は広島の大学生で、あの時代の街並みや空気感が丁寧に作り込まれていたことも嬉しかった。

〈あらすじ〉
昭和63年、広島の呉原では暴力団組織が街を牛耳り、新勢力である広島の巨大組織五十子会系「加古村組」と地元の「尾谷組」がにらみ合っていた。ある日、加古村組の関連企業の社員が行方不明になる。ベテラン刑事の刑事二課主任・大上章吾(役所広司)巡査部長は、そこに殺人事件の匂いをかぎ取り、新米の日岡秀一(松坂桃李)巡査と共に捜査に乗り出す。
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