naoズfirm

孤狼の血のnaoズfirmのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
3.8

孤狼の血シリーズ第1作目🎬

ストーリーは暴力団同士の抗争が激化する広島のとある地方都市を舞台にマル暴刑事の法律無視の過激な捜査を描いた作品でした。今作は柚月裕子の原作小説「孤狼の血」をベースに描かれ、第42回日本アカデミー賞で優秀賞最多12部門、最優秀賞4部門受賞した作品です。また今作でメガホンを取った白石監督は「日本で一番悪い奴ら」「凶悪」など社会派サスペンスを題材にした作品が多いですが、今作もその一つです。また今作は三船敏郎・菅原文太・高倉健・千葉真一など昭和を代表する名スターたちが1960年代から70年代に演じてきた極道ものを彷彿とさせる作品です。特に今作で使われたセットの一つ一つにこだわりを感じました。オフィス机、ポケベル、黒電話、夜の街の風景、自動販売機、雑誌などどれにフォーカスを当てても違和感がないと言うか、昭和の雰囲気にマッチしていました。そして今作の見所はなかなかハードで目を背けたくなるような生々しいシーンの数々です。暴力シーンの激しさや流血描写はもちろんのこと、死体を掘り返すシーンや水ぶくれして変色した腐乱死体のシーンなどかなり衝撃的です。R15+映画でしか実現できないものです。今作の主人公である大上はカタギを守るためヤクザも利用し、違法捜査もガンガン行い、彼なりの独特な倫理観や正義感で組織内で一匹狼として動き回っていました。まさに邦題の"孤狼"とは大上のことを指しており、彼の死後、彼から大きな影響を受けた日岡がどうなったのかが気になりますね。
naoズfirm

naoズfirm