kyoko

29歳問題のkyokoのレビュー・感想・評価

29歳問題(2017年製作の映画)
3.8
不思議な演出だなあと思っていたら、今作の監督が12年間一人二役を演じた舞台の映画化と知って腑に落ちた。第四の壁も舞台がそういう演出だからなのかな。

私は香港カルチャーにはあまり詳しくないので、大家さんもタクシー運転手もレコード店主も、どうやら知っている人にはたまらないらしいメンツにも全然ぴんと来ず。レオン・ライとかBEYONDの名前ぐらいは知ってるけど、電車のおじさんは「誰?」だった。
レスリーチャンの「日没のパリ」を調べたらこれは映画ではなくドラマらしい。そりゃわからんわ。

とはいえ、香港通でないと楽しめないわけではなく、ヨックワンもティンロもかわいいし、話のテンポもいい。
年齢的には、土星が1周どころかさらに2/3周ぐらいしている私だが、ヨックワンを見ているとやはり20代終盤の自分を思い出して切なくなる。もちろんあんなにかわいくもないし、バリキャリでもなかったけどさw
ヨックワンが泣き叫んだように、自分も世界中から取り残されてひとり奈落の底に落ちこんでいったような感覚を持っていたことを思い出す。いや、いまもときどきあるな。。。

お父さんのくだりは泣いたなあ。
あのあたりから涙がとまらなくなっていた気がする。
お父さんと観た映画は「男たちの挽歌」かしら。
なんとなく「トニ・エルドマン」を思い出した。

ただ終盤ティンロについて話が大きく展開したときは「うーん」だった。
見ようによっては、私よりかわいそうな人がこんなにポジティブなんだから私もがんばらなきゃ、みたいになるからこういうのはあまり好きじゃない。
でもやっぱり泣いた。
ティンロとホンミンがかわいくて。

ティンロのように好きなものを好き!って全身から迸らせてみたい。

レスリーチャンの「0から始めよう」が沁みる。
やっぱりタイトルは「29+1」が相応しい。